かっこちゃんの「ありがとうの花」
もう何度めだろう。
ここを読み返すたびに涙がでるのは、なぜなんだろう?
『二人のお母さん』
Keiさんにはお嬢さんがいて、過失による事故で、いまはベッドに寝たきりになっているのだそうです。どうしても、事故を起こした方を許すことができない、もし事故に遭っていなかったら、今頃はお嬢さんは就職もし、結婚もしていいただろう。相手が幸せになるのが我慢できない、とメールに書いておられました。
そして相手の方には、保険金以外に毎月必ず同じ日に、同じ時間に、病院に来て謝ることを、償いの条件の一つにされたのだそうです。
Keiさんからメールがありました。
<・・・どんなことがあっても、必ずその日のその時間に病院に来るというのが条件だったのに、今月はどうしても来れないので日を変えてほしいと加害者から電話がありました。
そのようなことは許されることじゃないということが、加害者にはわからないのです。どんなに大切な予定であろうと、将来に関わることであろうと、加害者にはそのような未来があって、被害者はただベッドの上で寝ているだけ。
せめて月に一回のその日くらい、どんなことがあっても、償いということができないのかと腹立たしく、申し出は断りました。私たちには一生、しあわせなんて来ないのに・・・。しあわせになる方法があったら教えてほしい。私はいつもそう思っています>
メールを何度もいただいているうちに、Keiさんとお嬢さんのことが私にとってもどんどん大切になったから、旅の間中、日本に帰ったら私が思っていることをお話ししよう、勇気をだしてそうしようと考えていました。Keiさんからの「しあわせになる方法があったら教えてほしい」という言葉を見ていると、旅の間に決めたことをお話ししたらいいよと、誰かがそう言っているような、誰かが背中を押してくれるような、そんな気がしてならなくて、メールを出しました。
<私はしあわせになる方法、わかります。知っています。
相手の方に「もうあなたは充分償ってくださったから、もう私たちのことは忘れてしあわせになってくださいね。あなたのしあわせを祈っていますね」とお話しされること、そのことにように思えてならないんです。
私はそのことで、きっときっとお二人がしあわせになられると信じます。お嬢さんとお二人、どんなにおつらい日々を送っておられるだろうかということ、私、充分わかっているつもりです。
けれど、私は恨んでいる間は、つらくて、しあわせには決してなれないんだって、知っています。知っているつもりなんです>
書いてからもまだ迷って、でもエイッと送信ボタンを押しました。
「Keiさんはどんなふうに思われたのだろうか?怒っておられるだろうか?」と何度も考えました。まさか返事をいただけるなんて想像していませんでした。けれど、こんなメールをいただきました。
<かっこちゃんからのメール・・・。いったいかっこちゃんは何のつもりなんだろう。何を言っているのだろう。話にならないと正直思いました。
それなのに私自身、メールを閉じて、娘とテレビを見て、テレビを消して、ふと相手に電話をかけてみようと、そんな気持ちになりました。そして電話をかけると、私自身もわけがわからなくなって、口走っていたのです。
「もういらっしゃらなくてもいいですよ。充分償ってくださったのですから、しあわせになってくださいね。私もあなたのしあわせを祈っています」
と言いました。おまけに私は「あなたのご両親も本当に良い方ですから、あなたのしあわせを祈っているのでしょう。長い間ご両親にもあなたにもつらい思いをさせてしまってごめんなさいね」と言いました。
いったい私のどこにそんな優しい言葉があったのか、自分でも驚いています。電話の向こうから嗚咽が聞こえました。私も言葉がつづかなくなって、受話器を置きました。置いたとたんでした。不思議なことに、かっこちゃん、受話器を置いたとたん、何が起きたと思いますか?いままで感じたことのないようなしあわせな気持ちに包まれて、胸がいっぱいになって、娘を抱きしめて泣きました。
「よかったんだね、これでよかったよね」と言うと、娘が「ママ、よかったね。ママ、よかったんだよ」と言いました。娘は「もういいよ」とこれまで、何度も言っていました。でも、私は許せなかった・・・。
かっこちゃんは、こうなることがわかっていたのですか?見えていたのですか?
テレビを見終わったあの一瞬に何が起きたのか、何かに導かれるようにかけてしまった電話ですが、もし、体の不自由な宮ぷーのところに毎日欠かさずに出かけているかっこちゃんでなかったら、私はこんなこと絶対にしなかったはずです。
これから今日のことを後悔することがあるでしょうか?まだじつはわかりませんが、私の口から出た「いままでごめんなさいね」の言葉はかっこちゃんの言葉でなくて、私の心から出た言葉であるならば、私の中にもじつはそんな心が残っていたのでしょうね>
メルマガ「宮ぷー こころの架橋ぷろじぇくと」
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